当院は高度救命救急センターを有しており、県内外から交通事故を含む外傷、重症心疾患や脳血管障害、急性薬物中毒など、様々な救急患者を精力的に受け入れています。
その中には、統合失調症、うつ病、双極性障害、てんかん、アルコールをはじめとする物質関連障害、パニック障害、ストレス関連障害(適応障害、急
性ストレス障害/心的外傷後ストレス障害)、解離性障害、頭部外傷後の高次脳機能障害やパーソナリティ障害などのため、メンタルクリニックの関与が必要と
なる患者さんも少なくないため、救命救急科やER科と連携して治療を行っています。
メンタルクリニックは原則として夜間・休日の診療は行っていないため、初期対応が救命救急センターの医師によって行われた後、精神科医の診察が必要と判断された場合には、メンタルクリニックが介入するシステムになっています。
救命科とメンタルクリニックの連携の中で、自殺企図患者の対応は特に重要です。自殺企図患者には精神疾患を有する人が多いことが知られており、救
急場面での診察や治療を契機として、継続した精神科通院につながることも多いからです。当クリニックは入院設備を持たないため、切迫した自殺念慮が続いて
いる患者などは、埼玉医科大学病院神経精神科や埼玉精神神経センターをはじめとする関連施設への転院が必要となることもあります。
近年、精神科を受診する患者は増加傾向にあり、様々な場面において精神科医の活躍が期待されています。救急場面における診療は、咄嗟の判断を求められることも多く、医師として大きな責任を感じる一方でやりがいのある仕事でもあります。