診療の特徴

認知行動療法

認知行動療法は、効果とその治療のしくみが実証的方法によって確認されている数少ない心理療法のひとつで、現在は「認知療法」「行動療法」を総称してこのように呼ばれています。

認知行動療法イメージ近年の動向として、2010 年から医師による認知行動療法が保険点数化され、支援を要請される例が増えています。当クリニックでも積極的に行っていて、医師による診察と並行して、臨床心理士が実践にあたっています。また、認知行動療法の導入にあたるカンファレンスも充実していて、多職種での総合的な検討を行っています。

生活上の困りごとは、「不安」や「落ち込み」といった気持ちの問題、「動悸」や「頭痛」といった身体的問題、「不登校」や「対人関係」といった社会的問題などさまざまです。しかし、これらの問題のきっかけや持続している原因には、「考え方のスタイル(認知)」や「振る舞いのスタイル(行動)」が関連していることが少なくありません。

たとえば、「人と話すときに、緊張して振る舞いがぎこちなくなってしまう」という問題を抱えている人の場合、「人に悪い印象を与えてはならない」という考え方が不安と緊張を高め、「途中でその場から立ち去る」といったように、適切な反応や行動が妨害されることがあります。そして、途中退席したことで、さらに対人場面への自信が低下することにつながることが予想されます。

認知行動療法ではこのような「考え方のスタイル」や「行動のスタイル」をいったん立ち止まって確認し、より楽に生活できるような「考え方」や「行動」を身につける相談・実践をしていきます。詳細は、下記のようになっています。

■認知療法

患者さんの考え方のスタイル(認知)を治療の標的にし、その変容を通して感情面、行動面の問題の解決を図っていこうとする治療法です。私たちは普段の生活の中で、ふと浮かぶ思考と付き合いながら生活していて、それによって気分や行動が影響を受けることを日々経験しているのではないでしょうか。

そうした考えの内容や、考えとの付き合い方を患者さんと一緒に振り返りながら、変容を試みるのが認知療法です。

■行動療法

行動療法とは、実験的に明らかにされている学習理論、あるいは、行動理論を基盤として、不適応的な習慣を克服するために用いられる行動変容法です。

我々人間は日々行動の選択をしていますが、そのときの環境や身体感覚、気持ち、考えがその行動に影響を与えています。

適切な行動の頻度を高めるためには、行動の周辺要因を評価することが有用で、この分析とそれによる調整・介入(環境調整や行動の変容)を、患者さんと一緒に進めるのが行動療法です。

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